無駄

2004年12月16日 ことばの欠片
あなたに知って欲しいと思った
言葉のもつ優しさを

きっと言葉を知ることで
それらはあなたを守る鎧になり盾になり
心が傷つかなくなる

でもそんな思いを受け取ろうとせずに
あなたは自分が傷つけられたと
それだけに支配された

私の言葉は空に散り
あなたはいつまた傷つけられるかわからないまま
真綿のような無意味な関係の群れに
囚われていく

これまでは私が何度か手を引いたけれど
もう二度と助けの手はこない
言葉を受け取られない人にとって
私の思いとおこないは完全なる無駄
好きになる気持ちを理性で押さえつける
締め付けられるような
その辛さと

好きになってからそれを見せないように生きる
自傷行為のような
その辛さと

どちらが苦しいだろう

どちらを選びますか?

神様の声が聞こえる

どんな罰を準備して待っているのやら。
別れ際におやすみのキスをしておけば
一人で帰る電車の中で
胸がこんなに締め付けられることもなかったのに

あの夜みたいに
もう一度キスしたら
わたしたちはどうなる?

きっと今のままだね
心の傷が目に見えないのは
誰にも知られないうちに
治すことを可能にするため

一人で抱えるものだから
見えなくていい
そのほうが
好きなだけ傷つけられる

自分のことは信じられなくても
あなたのことを信じたい
そのために傷を負うことは
辛いとは言えない

心に傷がついても
それは誰にも知りえない
傷つくことは自分の選択で
それをこっそり癒すために心は内側にある

孤独な心に感謝

milky way

2004年8月17日 ことばの欠片
心のどこかで
貴方のことなんてとっくに諦めている
かなわぬ思いはいつも
貴方の背中にぶつかり砕け散っていく

その欠片があちこちに降り積もって
私と貴方を隔てる天の川になった
自業自得だね

現実は

2004年8月6日 ことばの欠片
貴方のそばにいる人は本当に綺麗で
いつも笑っていて
信じられないほどの距離感で
貴方と一緒にいる

そんな貴方達を目の当たりにするたび
不思議な感覚に襲われて
明るく騒いでしまう

自分は遠くにいられればいいと
納得してしまう

美しさ

2004年8月4日 ことばの欠片
世界と自分の基準との符合
それが美しさの原因

だからひとりよがりの想像や夢はとても美しい
例えば恋人が死んだ後に
続いていたはずの世界を思い浮かべて
それを美しいと思うのは当たり前

だって貴方がいなければ
架空の貴方を自分が好きなように改造してしまえるもの
無理やり自分にとって正しいものにする
改竄かもしれない

死んだ人との恋愛の続きなんて
ほんとうは綺麗なんかじゃなくて
真実以外のものはすべて美しいだけのこと

一番美しいのは真実でなければならないと
皆わかっているのに
人は一人では生きていけないってほんとう?
一人になったらみんな死んでしまうのですか?
まさかね

一人でいるのが辛いから、
構ってほしいから、何をしてもいいの?
悲しい時には誰かに慰めてもらわなければ立ち直れない?
まさかね

ほんとうにそうでなくては駄目なのならば、
とっくに死んでいるよ

悩んでいる姿を見せるのがそんなに偉いのならば、
涙を堪えて他人を見送るひとは悲惨な生き物
あなたの一方通行の泣き言を聞いて頭をなでてくれる人は
かわいそうだね
あなたがいるのに独りだもの

指と糸

2004年7月26日 ことばの欠片
一番好きでなければいけませんか
全部好きで何がいけないの
誰かが間違いだと言うの
少なくとも神様はそんなこと言わない

順位付けをしてものを占有したがるのは
単なる弱者のルール
ほんとうは平等に与えられるものなんてないのに
それには気付かない振り

欲しいものは何でも手に入れる
そう思う人もいるし事実そうする人もいる
その人の指にはたくさんの糸がかかっていて
少し重かった

ただそれだけの違い
「それだけ」の覚悟もないのに泣きごと?

たくさんの糸をつかむ指の反対の手には
鋏が光っている
鮮烈な指

散る夏

2004年7月23日 ことばの欠片
遭うことが裏切りになるのは
未だ好きということ

いくら別の言葉で繕っても
ほんとうのことなんていつも単純で怖いくらい

ただ60分だけ
この窓辺に来て
私に可愛がられて帰った鳥

このくらいの距離がちょうどいいね

恐怖

2004年7月22日 ことばの欠片
独りでいたい

すべてのものを分析したいけれど
自分は分析されたくない

貴方の目を見ていると
もう私に関する分析は尽くされていそうで
そうしたら
もう私はここには居られないのではないかと
孤独な暗闇に突き落とされる

他人が居るから独りが在り
貴方がいるから孤独が恐ろしいものになる
自分が何者かわからないままで
いさせてくれませんか
鎖を逃れてどこに行こうと言うの?
自分でつけた鎖を外すなんてどうかしている

金属はすっかり弱って
キミを捕まえる気もないみたい

こんなに綺麗な青空も
キミには冷たい青
自らの凍えた心を映す鏡のよう

壊れていくキミと鎖を
私は労るでもなく撥ね付けるでもなく
ただ見ている
空に心を置き忘れたみたいに
海に心を隠してきたみたいに

ほんとうはどうしたいのかなんて
偽善に対する答えなんかない
ものが壊れていく眺めは思ったより悪くないよ
「傷開くで、もうやめとき」
痛いほうがいい?
それならもっと方法があるよ

「しんどない?話聞こか?」
耐えられるかな
甘えると後が辛いだけだよ

「ほんまは君のこと好きなんよ」
大嘘つき
飴と鞭って知ってる?

「しゃーないって」
自分が悪者になるのが怖いなら自我を捨てれば?
硝子の器みたいに

「みんな君の味方や」
救いが必要なのは誰?
少なくとも君じゃないよ ってこと

意味

2004年6月18日 ことばの欠片
誰かを好きになるのに理由が要るとすれば
それはあなたの存在

籠の鳥

2004年6月17日 ことばの欠片
また逃げた...

窓辺に立って世界のほうに目をやると
金属の擦れあう嫌な音が聞こえた

それは籠が地面に落ちる音
粉々に割れた籠は
悲しく横たわっている
冷たい床に赤い液体が染み込んでいく

どこに行った?

空が暗くなり
気まぐれな鳥は家に帰る
籠はもう跡形もなく
赤い染みももう消えていた

鳥は懐かしそうに羽を休めながら
しばらく不思議そうに辺りを眺めていた
あなたの手をもう一度握れば
あなたの目をもう一度食べれば
あなたの首をもう一度抱きしめれば

きっとあなたは鳥になって空に消えるでしょう
あなたを縛る鎖をといて
そうしてあげたいだけなのかもしれない

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